実家を売る流れをわかりやすく解説!売却でかかる費用も確認しよう
実家を相続する予定の方は、どのような活用方法を考えていますでしょうか。相続した実家の管理は難しく、売却を検討している方は多いでしょう。では、実家はどのような手順で売却し、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
この記事では、相続した実家を売却する場合の流れや費用について解説します。
実家を売るための手順
相続した実家の利用のしかたは人それぞれです。では、実家を売却する予定の場合は、どのような手順で進めればいいのでしょうか。ここでは実家を売るための流れについて解説します。
①相続登記をする
相続した実家を売却する場合には、まず相続登記をしなければならず、また令和6年4月1日から相続登記が義務化されます。実家を相続したら、法務局で登記の手続きをしましょう。
相続登記はオンライン申請も受け付けていますが、すべての公的書類が電子化されているわけではないため、完全にオンラインで完了とはなりません。一部の必要書類は郵送するか持参するかしなければなりませんので、お近くの法務局の場所を事前に確認しておきましょう。
②実家の固定資産税評価額から売却額を予想する
相続登記が完了したら、実家の売却予想額を調査します。ご自身で目安を知りたい場合は、まず固定資産税評価額を確認します。一般的に建物は経過年数に従って価値は下がります。築年数が古く、傷みがひどい場合は、値が付かないこともあります。ただし、需要の高い人気エリアにある場合など、値崩れしにくいケースもあります。
また土地の価格は複数あり、固定資産税評価額はそのうちのひとつです。土地の価格を予想する目安になりますので、下記の表を参考にしてください。

公示価格は国や都道府県があらかじめ決められた基準値について不動産評価を行い価格を公表します。この公示価格をベースにすると、実際に取引される価格は1.2倍程度とされます。ただし、地域や時期によって上下しますので、注意が必要です。
固定資産税評価額は、公示価格の70%、相続税評価額は80%が目安です。固定資産税評価額から実勢価格の目安を知るためには、「固定資産税評価額 ÷ 0.7」で計算します。

③不動産会社を探し、売却のための契約を結ぶ
不動産の価格は、地域だけでなく時期によっても変動します。そのため、不動産仲介会社に見積もりを依頼して、情勢を探ります。できるだけ高く売却したい場合は、見積額の高い不動産仲介会社を中心に検討します。ただし、依頼してもらうため少し高めに見積もるケースもありますので、注意が必要です。
不動産は個人でも買い手を探して、売却できますが、一般的には不動産仲介会社と契約して売却します。その際に契約するのが媒介契約です。媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があり、状況に合わせて選択します。

上記のように、媒介契約の種類によって、不動産仲介会社の業務内容が変わります。相続時に実家を売却する場合は、時間的な余裕がないことがあります。このような場合は、専属専任媒介契約で早めに買主を見つけてもらうといいでしょう。
④買主が見つかったら売買契約を結ぶ
仲介契約を締結すれば、買主探しが始まります。さまざまな買主の声を聞きながら、リフォームしたり、売却価格を調節したりしながら、希望する買主と売買契約を締結します。個人で探す場合は、すべての手続きを行いますが、不動産仲介会社に依頼すれば、サポートしてもらえます。
⑤実家の引き渡しと登記を行う
売却代金を受け取り、実家を引き渡せば、売買取引が終了します。所有権移転登記と所有権抹消登記を行い、登記簿上の所有権変更を行います。
実家の売却にかかる費用
実家を売却する際には、税金や諸費用がかかります。その金額が大きく、準備期間がなければ、負担は大きくなります。実家を売却するとどの程度の金額がかかるか、確認していきます。
①売却益に対する税
実家を売却して利益がでれば、その利益に対して所得税・住民税がかかります。不動産を売却して得た所得は譲渡所得といい、次の算式で求めます。
| 譲渡所得:売却代金-(取得費+譲渡費用)-特別控除 |
相続した実家を売却する場合、取得費がわからないことがあります。この場合、売却代金の5%を取得費として計上できます。取得費が明確で売却代金の5%未満の場合も5%とすることができます。
また最大3,000万円まで控除できる「マイホームを売った場合の3,000万円特別控除」や税率を軽減できる「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」を適用できれば、税負担をおさえられます。
②印紙税
印紙税は収入印紙を契約書に貼付することで納税する税金です。契約金額によって印紙税は異なります。また、令和6年3月31日までの不動産売買契約書に記載されている金額のうち、10万円を超えるものには軽減税率が適用されます。
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③登録免許税
登録免許税は、相続登記する際に支払う税金で、「固定資産税評価額 × 0.4%」で計算します。令和7年3月31日まで免税措置があり、不動産価額が100万円以下の土地なら、登録免許税はかかりません。
固定資産税評価額は、固定資産税課税明細書や固定資産評価証明書で確認できます。記載されている評価額を1,000円未満切り捨て、その金額に0.4%を乗じて求めます(100円未満切り捨て)。
(例) 固定資産税評価額5,125,300円の土地
・5,125,300円 ⇒ (1,000円未満切り捨て) ⇒ 5,125,000円(課税標準)
・5,125,000円 × 0.4% = 20,500円
④税金以外にかかる費用
ここまで実家売却による税金について解説しましたが、費用もかかります。おもな費用として、相続登記を司法書士に依頼した際の報酬と不動産会社に売買取引の仲介を依頼した際の仲介手数料です。司法書士への報酬は事務所によって異なりますが、仲介手数料は決められています。
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(例) 土地・建物の売買価格6,000万円
・6,000万円 × 3.3% + 6.6万円 = 204.6万円
仲介手数料は売買価格が上がれば、高くなります。資金確保のために売却する場合、税金や費用を差し引いて考えなければなりません。専門家に税金や費用の見積もりを依頼して、早めに資金計画を立てましょう。
実家を売却するメリット・デメリット
実家を売却するかどうか迷っている方には、判断材料が必要になります。どちらを選択しても後悔しないために、実家を売却する場合のメリット・デメリットを解説します。
①実家を売却するメリット
相続前に実家を売却すれば、被相続人の医療・介護費用などに使えます。資金が必要な場合の調達方法のひとつです。実家の代わりとなる住まいを確保しなければなりませんが、緊急用資金が必要な状況では売却を検討するのもいいでしょう。
②実家を売却するデメリット
相続前に売却し現金がそのまま残っている場合、不動産を相続する場合と比べ、評価額が高くなり、相続税の計算上、不利になります。実家の売却を希望する場合、税制面でメリットの大きい相続後を検討しましょう。
不安や疑問があれば専門家に相談しよう
実家を含む相続や実家の売却を希望する場合の相続では、贈与・相続の知識だけでなく、不動産の知識も必要となります。個人で自分にふさわしい選択をするのは難しいケースもありますので、不安や疑問があれば専門家に相談することをおすすめします。
この記事では、相続を念頭においた、実家の売却の流れや税金・費用について解説しました。売却には実家のある地域にもよりますが、半年~1年程度かかる可能性があります。売却を急ぐと希望価格より下げなければならないこともあります。
実家を相続する予定の方や売却するかどうか迷われている方は、実家相続に強みがある実家相続相続センターにご相談ください。